体格の測定
まずは、体格[身長、体重、腹囲、体格指数(BMI)、肥満度]について、見ていきましょう。
手元に身長、体重、腹囲などデータはありますか?かりに、健診結果を忘れてしまっても、体格は自宅でも計れますよね。まずは、誰でも自宅で計れるように、正しい計り方とコツをご説明しましょう。
身長
靴下も脱ぎ、背中を身長計につけ、足をそろえ、まっすぐ前をみる姿勢にします。
ヘッドボードを頭頂部にあて、しっかり固定し、ミリ単位で計測します。
体重
排尿を済ませ、決まった時刻(できれば朝食前)に計測するようにします。
より正確に測るには、着用している衣服の重量を測り、実測体重から引きます。
腹囲
立った姿勢で、腹筋の緊張を解き、息を吐ききった時に測定します。
メジャーを臍の高さで床に水平に巻いて、お腹にくいこまないようにして測定します。
体格指数
身長、体重を計ったら、体格指数(BMI)を計算してみましょう。肥満の目安を知ることができます。でも、なぜ、体格指数を出すのでしょうか?
体格が違うと、肥満かやせているかの判断が難しいですよね。たとえば、同じ体重 60kg でも、身長が150cmの人と、180cmの人では、太っているかどうかの判定はまったく違います。
そこで、体格指数を用いるのです。体格指数にはさまざまな計算法が考案されておりますが、日本でも国際的にも最も使用されているのは、BMI(Body Mass Index)という値です。BMIは、他の体格指数と比べて、より体脂肪量に相関するといわれております。
計算式は以下のとおりです。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)2
身長の単位がメートルであることに気をつけてください。
160 cm, 50kg の人であれば、BMI = 50 ÷(1.6)2 = 19.5となります。
では、あなたのBMIを計算してみましょう!
yahooビューティー
http://diet.beauty.yahoo.co.jp/check/proportion/
肥満かどうかの判定は、下の表のとおりです(日本肥満学会の診断基準1)
肥満度分類
| BMI | 判定 | WHO基準 |
|---|---|---|
| <18.5 | 低体重 | Underweight |
| 18.5≦〜<25 | 普通体重 | Normal range |
| 25≦〜<30 | 肥満(1度) | Preobese |
| 30≦〜<35 | 肥満(2度) | Obese class I |
| 35≦〜<40 | 肥満(3度) | Obese class II |
| 40≦ | 肥満(4度) | Obese class III |
WHO分類とは国際的な基準ですが、BMI 30 はPreobese(肥満の前段階)であり、肥満と呼んでおりません。これは、欧米人の肥満が高いというだけでなく、日本人は BMI 25 以上で肥満に基づく健康障害が増加するということがわかっていますので、BMI 25 以上を肥満と判定しているのです。
BMI 正常でしたか?でも、安心するのはちょっと待ってください。BMI が正常でも、肥満がかくれていることがあるんです。次の、体脂肪を見てください。
体脂肪
次に、体脂肪率についてお話します。
体脂肪率とは、体を構成する成分のうち、脂肪が占める割合のことです。
体脂肪率をみることによって、「かくれ肥満」を診断することができます。
かくれ肥満とは、体重が標準範囲内なのに、脂肪が多くたまっている人です。
肥満症について、誤解をしている人がいます。見かけが太い人ばかりが肥満症ではありません。柔道や陸上競技のフィールドの選手は見た目には太いので、肥満症かと思ってしまうかもしれませんが、スポーツ選手の身体は鍛錬により筋肉の量が多くなっており、脂肪の量が多くなっているわけではないので、肥満症ではありません。
これと逆の場合があります。見かけが細くても、筋肉が少なく脂肪が多ければ、肥満症です。すなわち「かくれ肥満」と言えます。最近は、かくれ肥満の女性が増えてきています。
体脂肪率の測定には、精密には、あぶらが水より軽いことを利用し、身体を水の中に沈めて体積を求めて計算するやり方や、設備がそろった研究所で放射線同位元素を用いる測定法などがあります。しかしながら、これらの方法は日常的には行えません。
日常の臨床の場では、専用の器具を用いて、上腕の後ろ部分と、背中の肩甲骨下部の皮下脂肪の厚さを計測しておりました。両者を合計して、男性では3.5cm、女性では4.5cmを超えると、身体の脂肪量が、男性では20%、女性では30%以上と考えられ、「肥満症」と診断されます。
自宅では、大体の目安として、ご自身の上腕と背中をつまんで測定してみてもいいと思います。
しかし、最近では、身体に弱い電流を通してその伝わり方で身体の中の脂肪量を推定する、インピーダンス法による簡易体脂肪計が安く販売されるようになっております。健康管理のため、体脂肪計測定機能つき体重計の購入をお勧めいたします。
体脂肪率は、生活習慣病の発症率との関連がよくわかっていますので、定期的なチェックを心がけて下さい。
体脂肪率の基準
| 女性 | 男性 | |
|---|---|---|
| 体脂肪率 | 肥満度 | 体脂肪率 |
| <20 | 低い | <15 |
| 20≦〜<25 | 適正 | 15≦〜<20 |
| 25≦〜<30 | やや高い | 20≦〜<25 |
| ≦30 | 高い | ≦25 |
かくれ肥満
| 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 体脂肪率 | 20≧ | 30≧ | かくれ肥満 | 肥満 | |
| <20 | <30 | やせ | 普通 | 固太り | |
| <18.5 | 18.5<〜<25 | 25≦ | |||
| BMI | |||||
肥満について、おわかりいただけましたでしょうか。
肥満はルックス面で気にされる方が多いと思いますが、健康上、肥満の及ぼす影響はとても大きいです。生活習慣病克服の第一歩は肥満の解消からともいえます。
肥満にお悩みの方は、病気の知識にお進みください。
肥満症のページはこちら
一方、低体重に入った方もおられると思います。
肥満がだめならやせていた方がいいというのにも限度があります。
若い女性で多いですが、やせ願望から、「病的なやせ」になる方も多いのです。
「病的なやせ」は免疫能が低下して感染にかかりやすくなることもあります。
標準体重は最も病気の少ない体重です。
標準体重から大きく離れるほど過酷なダイエットは控えましょう。
腹囲
もうひとつ、体格の指標の最後に、腹囲についてお話します。
腹囲は、動脈硬化との関連があり、とても重要です。
メタボリック症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか。肥満、高血圧、高脂血症、血糖高値、など、1つ1つはそれほどたいしたことのない異常なのに、これらが重なると、動脈硬化が強くなり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中を起こしやすくなる、という症候群です。
詳細は該当ページで詳しく解説しておりますが、腹囲についての診断基準は、腹囲男性85cm以上、女性90cm以上の人がこの症候群の一つの項目になっております。
腹囲がこの基準を超える方は、メタボリック症候群のページへ進んでください。
体格の項目で異常はなかった方は、クリアーです。次の血圧の項目に進んでください。
参考文献
- 日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会:新しい肥満の判定と肥満症の診断基準 肥満研究6:18-28, 2000
- メタボリックシンドローム診断基準委員会: メタボリックシンドロームの定義と診断基準 日本内科学会雑誌×94:794-809,2005